昔と比べると、はるかに便利になっているわたしたちの暮らし。料理、着るもの、移動手段、人との繋がり方など、日々のあらゆる行動ひとつひとつが、びっくりするほどの短い時間で、簡単にできるようになっていることを感じます。
そんな現代で「わざわざ」時間や手間のかかることをする。それは意外にも心地のよく、充実した気持ちをもたらしてくれることがあります。カキモリにとってそれは「書くこと」、そして Y. & SONS さんにとっては「きものを着る」こと。
“きものは、洋服より面倒だ。まず、着る時の手間がかかる。着てからのふるまいだって気を遣う。けれど、きものには、そんな面倒を飛び越えてしまう刺激がある。(Y. & SONS ホームページより)”
産地や織りにこだわった生地で上質な和服をつくる Y. & SONS さん。きものを仕立てると、そんなこだわりの生地でもどうしても余りが出てしまう。カキモリへ届いた「ハギレをノートにしたい」というリクエストが、今回のコラボレーションを生んでくれました。
ハギレのノート
日本の様々な産地で仕立てた、シルクや綿などの自然素材を使った生地。肌に触れることを前提としているため、手に触れた時の柔らかさや滑らかさは格別です。
いつもは少量生産は行わないものの、このハギレたちはなんとかノートにしてみたい。職人さんと何度もやりとりをして、Y. & SONS さんの思いを形にすることができました。
全部で数十冊しかない限定ノートとして、Y. & SONS さんへお届け。
「装い」のノート
せっかくならカキモリでも販売できるきもの生地のノートをつくりたいと思ったのは、実際に Y. & SONSさんの生地に触れてみてその良さを感じたからでした。
柄や色に明るさや派手さはないけれど、ひとつひとつが繊細で力強さを感じる生地たち。たくさんある中から5柄を選び、カキモリオリジナルのノートにあしらうことにしました。
こうしてできあがった、Y. & SONS さんとカキモリ、それぞれの思いが形になったノートコレクション。
きものを着る。書きものをする。
わざわざ行うその行為が、便利さを上回る良さをきっとつくり出してくれることを願って。