Our Story
はじめまして、カキモリです。
カキモリと〈下町〉
◎分かち合うこと
カキモリのある町は東京の下町。そこは、小さな町工場が連なる、〈ものづくり〉が盛んな地域。人と人との繋がりが強く、暮らしと仕事の距離が近い、古くて新しい場所と言われています。カキモリは、この地域や人と出会い、育まれてきました。
下町ではいつも誰かが誰かを気にしています。
「あの人が喜ぶから」「こういうの好きだったよねぇ」。この町でよく聞く言葉です。人同士の繋がりが〈濃い〉と形容されることもあります。
ある日、お客様が楽しげに紙や封筒を選んでいる姿を見て、納品に来た町工場の職人さんが嬉しそうにしていました。それを見たとき、カキモリのやりたかったことがひとつ出来たのかなと思いました。
カキモリがもっとも大切にしていることは、この町の人と接する日々の中で学びました。昔ながらの喫茶店や、新しいロースタリーでは、見た目は違っていても、両者ともコーヒーから始まる人との繋がりを大切にし、楽しんでいます。 カキモリは〈書く〉ことから始まる、人と人との結びつきや、〈分かち合う〉たのしさや喜びを、この店から、少しずつ伝えていけたらと考えています。
◎この町から
私たちは〈分かち合う〉喜びを知る、〈たのしく書く人〉であり、その語り部としてこの町に在りたいと思っています。 接客だけでなく、デザインや、生産などでも、関わる人が喜ぶことを真摯に考えます。お客様からのご意見やアイデアを大切にします。取引先や生産者の皆さんと納得のゆくまで話し合い、一緒に作って届けていきます。 私たちは、変わりゆく時代に合わせ変化を恐れず、よりよくありたいと願っています。
カキモリの〈ものづくり〉
お気に入りの紙で仕立てたノート。
そんな1冊があれば、
書くことがもっとワクワクする。
一滴ずつ、自分でつくったインクから、
書くたのしさ、
表現するたのしさが広がって
日常がそっと色づいていく。
手紙に綴られた文字は、
言葉にならない想いを取り込み、
ペンを持つ人の一瞬を封じ込める。
インクの瓶を開けるとき、
紙に向かうとき、
ペンを持つとき、
その瞬間がもっとたのしく、
充実したものでありますように。
日々手に触れ、想いをかたちにする道具。
永く使える、愛着を持てる、ノート、インク、ペン、便箋。
それらを使う空間と時間。
カキモリの〈ものづくり〉は、使う人とともに時間を積み重ね、 進化してゆきます。
カキモリと〈社会〉
作って使う。かつて世界各地でそれぞれの環境を活かして描かれた生活循環の輪は、経済を優先したゆきすぎたグローバルな開発の中に埋もれ、地域資源の減少や、その特色を活かした〈ものづくり〉を存続の危機へといざなっています。また、そうした活動の結果である気候変動は、これからの時代の持続可能性を考える上でも避けられない深刻な問題となって、私たちの前に立ちはだかっています。
長い時間の中で育まれた技術や人を残し、人々が健全に暮らし続けられる環境を再生させること。これらは現在、〈ものづくり〉に関わる企業にとって、大きな課題となっています。
カキモリはそれらの課題に対し、自らが考え、作り、売ることで、地域の技術と社会とをつなげ、適切な循環への回帰を促し、失われかけた技術や人、そして環境を、次の社会へと残していきたいと考えています。
カキモリは、〈ものづくり〉を通じて、ものを生み出す喜びから生まれる暮らしの輪を、世界中に広げる活動を進めてゆきます。
◎THINK “AWGS”
カキモリが、社会を考える上で大切にしているもうひとつのこと〈AWGS〉。
Air(空気)、Water(水)、Green(緑)、Soil(土)。
地球を構成する4大要素であるそれらとの共存を考えることは、これからの〈商い〉や〈経済〉にとって重要なミッションです。
私たちが扱っている、小さな日用品〈文具〉。日々使い続ける様々なもの、そのひとつひとつを作るとき、使うとき、一人ひとりが少しずつのことを積み重ねるだけで、やがてその成果は大きなものになることでしょう。 たとえばカキモリでは、使い終わったノートの表紙を、中紙を交換することで使い続けることができる〈中紙交換〉や、インクのリフィルサービス。そして、製造の際にどうしても出来てしまう端切れから新たな商品を作る〈ハギレプロジェクト〉、また、制作時に失敗して使えなくなったノート紙を使用した袋など、様々な試みを実行に移しています。
カキモリができることは、ほんのささいなことかも知れません。
ですが、毎日の小さな積み重ねから生まれるであろう、大きな実りを信じて、カキモリは日々を励んでいます。