カキモリが新たにつくる「たのしく、書く道具」。
プロダクトデザイナーの小泉 誠さんと話し合い、
「カキモリらしいプロダクトってなんだろう」と考えました。
愛着を持って使い続けられ、
人のそばで古びていけるもの。
日常に在りながら、
使うたび、
心が豊かになるもの。
そんな道具を……と考えたとき、
使ってみたい素材が浮かんできました。
それは、山桜。
日本の山に古くから自生する広葉樹です。
丈夫で、時のうつろいとともに愛着が増していく木。
わたしたちは、山桜で、インク瓶のキャップ、
ペン軸、ペンレストをつくることにしました。
山桜の加工は、小泉さんのご縁のあった工房や、
新たに繋がりをもった工房にお願いしています。
キャップは北海道の旭川、
ペン軸は広島県の熊野、
ペンレストは岐阜の中津川。
それぞれの工房に訪問し、
「たのしく、書く道具」のコンセプトを伝えました。
わたしたちの想いに共感してくれた、
大切な仲間です。
山桜の木の風合い、
ぬくもりを感じられる道具に仕上げたい。
そんな希望を形にしようと、
妥協せず、
新たな加工に挑戦してくれました。
何度も何度もやりとりを重ね、
苦労もありながら、
一緒にたのしくつくってきました。
こうして出来上がってきた「たのしく、書く道具」。
見ていてもたのしい。
触れてもたのしい。
使うともっとたのしい道具です。
ひとつのモノづくりを通して生まれる、
人と人とのつながり。
このつながりが長く続き、
またモノづくりができたらと思うのです。
「落ち着いたら、東京にも行きますね」
「案内しますよ。わたしたちも、またお邪魔します」
そんな風に、ざっくばらんに話せるつくり手と、これからも。
カキモリのベーシックは、
「たのしく、つくった道具」です。
たのしく書いて、
豊かなときを感じていただけたらうれしいです。
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