ずっとそばにいる道具を、全国の仲間と、山桜の木で第二回



前編はこちら



プロダクトデザイナーの小泉 誠さんと話し合い、
カキモリが新たにつくる「たのしく、書く道具」。

愛着を持って長く使い続けられるもの、
人の暮らしのそばにあって、
使うたび、心が豊かになる道具。

そんなプロダクトを一緒につくってくれた、
全国の仲間を紹介します。

山桜の魅力を知り尽くし、
たのしく、かつ粘り強く製作にチャレンジしてくれています。



ペン軸づくり




まず、ペン軸をつくってくれたのは
株式会社NAKAMURAさん。

筆の産地として有名な広島県の熊野で営まれている会社です。

3代目の岩永さんが入社した頃は、
生産される筆の大半が書道に使われるものでしたが、現在は化粧筆が7割以上。

熊野の化粧筆を見かけたら、
岩永さんが手掛けたものかもしれません。





今回のペン軸はとてもベーシックな形。
だからこそ、素材の素晴らしさ、
そして細部まで心を配った仕上げが際立ちます。

岩永さんには、嫌がられても仕方がないくらい、
何度も修正をお願いしました。

その度に優しく、根気強く対応し、
わたしたちのこだわりを表現してくださったことに
感謝しています。



ペンレストづくり




続いて、ペンレストの製作をお願いしたのが、中津川の新井製材所さん。

木曽山脈の豊かな森の木を、建材に加工することから始まった会社です。

現在は、製材から木の加工まで一気通貫で行われていますが、
一般的には丸太を板材や角材にする製材所と、材を加工して製品にする木工所は分業されているそう。

木の目利き力、製材設備への投資、高い加工技術……
それぞれ異なる、でも欠かせない力をすべて蓄え、伸ばしてきたからこそできることです。





新井さんと小泉さんのお付き合いは10年以上。

ペンレストを楽しそうに試作されるお二人が、
なんだか、秘密基地づくりに熱中する子どものように
見えたのはここだけの話。



インクの木キャップづくり




最後にご紹介するのは、木キャップ。

北海道の旭川で家具をつくり続けてきた会社で、
インクを入れる瓶の蓋をつくっていただいています。

コンセプトに共感し、会社の歴史上、
最少ロット最小サイズの製品づくりを受け入れてくれました。

しかし、山桜をインク瓶の蓋にするのは(わかっていたけど)難しい!

気温や湿度に影響される木の中でも、
「山桜は切ってみるまでわからない」
と言われるほど個体差があり、
硬さも木目もバラバラ。

木のあたたかみを感じながら、
機能的にも過不足がない。

そんな道具にできるよう、
小泉さんとカキモリの3者で
現在チャレンジ中です。もう少しお待ちくださいね。





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