カキモリ店頭や販売パートナーでお渡ししている、インクとペンの紹介が書かれた冊子。写真ではなく絵を使って表現することにこだわり、表紙と裏表紙の絵は、実際にカキモリのインクと書く道具を使って描かれています。

この素敵な絵を描いてくださったのが、イラストレーターの久米火詩さん。今回、この冊子を作るのにあたり、カキモリの書く道具をたくさん使っていただきました。
そして道具を使った感想をお伺いしたところ、とてもていねいにそれぞれの道具ごとのコメントをくださったので、みなさんにもお届けしたいと思いました。久米さんの視点で見たコメントをそのまま掲載します。こちらの記事では、それぞれのペン先の使い方や違いについてご紹介しています(インク編はこちら)。
Pen nib
ペン先が丸く加工されているので、水彩紙のような凸凹のある紙でも引っかかることなく、スムーズに安定した線が引けるのがとても嬉しいです。一般的なつけペンと違って、硬いステンレスでできているので、均一な太さの線を安定して引くことができます。万年筆に近い書き心地で、普段、Gペンなどのつけペンが苦手な方も、安定して使いやすいのではないかと思いました。
ステンレスは摩耗も少なく、ペン先が開いてくることもほぼないので、1本のペン先で長く愛用できそうなところも嬉しいです。インクのほか、透明水彩をインク代わりにしても問題なく使うことができました。


主線は「Pen nib」と「08 ざぶん」のインク、塗りは鉛筆や透明水彩、墨で描かれたカキモリの道具。つけペンを画材と組み合わせて使っていただきました。
Metal nib
細い線も太い線も、1つのペン先で自在に引くことができ、またコントロールも効きやすい、とても面白いペン先だと思います。インクの保ちも良いので、小さめのドローイングであれば、1度インクにつけるだけで最後まで描き切れるのも嬉しいです。ステンレス、真鍮、銅はそれぞれ少しずつ書き味が違い、ステンレスはかなり硬め、銅は柔らかい印象がありました。私は真鍮の線が気に入っています。
Metal nib の描線の幅広さと、Kakimori ink の透明度を組み合わせると、ペン1本×インク1色でもとても表情豊かなドローイングができます。最初に Metal nib を立てて使って、濃く主線を描き、乾かした後に、今度はペンを寝かせて色を塗れば、インクの濃淡をたっぷりと楽しむことができるドローイングになります。ポイントは、塗りの際には、瓶の口でインク量をしっかり調節して、濃くなりすぎないようにすること。ペン先を洗うだけで片付けも簡単なので、気軽に描くことができます。



Glass nib
こちらも太くも細くも、さまざまな線を引くことができますが、Metal nib よりもコントロールが難しく、その分偶発性が楽しめるペン先だなと感じました。自由に線を引くドローイングなどは、意図しない表情が出てとても楽しいです。
Glass nib で描く線の表情がとても面白いので、今回の冊子のパターンドローイングなどは、ペンを立てたり寝かせたりしながら、夢中になって描いてしまいました。
また、ガラスペンでありながら、軸は木製のものを使うことができるので、一体型のものよりも、扱いに気を遣わずにすむのも嬉しいです。



実はカキモリのつけペンを使うまでは、ややつけペンに対して苦手意識があったという久米さん。今回使っていただいて、一番気に入ったのは Mini holder と Pen nib の組み合わせだといいます。ペン感覚で使うことができ、つけペンを身近に感じていただけたのだそう。

文字だけではなく、絵を描くのも楽しめるつけペン。ぜひ久米さんのコメントを参考にしていただいて、みなさんもつけペンで描くことを楽しんでくださいね。久米さんの他の作品は久米さんのホームページよりご覧いただけます。

久米火詩 Hiuta Kume
長野県原村生まれ、東京都在住のイラストレーター。繊細な線と柔らかな表現が魅力で、書籍や雑誌、教科書、広告やパッケージなど、幅広い分野で活動されています。装画・挿絵を手がけた作品に『なんで人間にはしっぽがないの?』(新泉社)、『だんだんできてくる世界遺産2 自由の女神像』(フレーベル館)、『おやすみ、悩み糸』(アリス館)など。