作り手から、書き人たちへ。ものづくりをする作家さんたちが生み出す、「書く」にまつわる道具たち。今回は、金工作家・高井吉一が生み出す無骨で緻密なTETZBO(鉄ボー)のボールペンをお届けします。
一見するとシンプルながらも、細部にこそこだわりの見られるデザインが特徴的なボールペンたち。そして、そのラインナップの中心にあるのは、ちびえんシリーズです。
「ちいさな鉛筆」というその名の通り、使いかけの鉛筆を模したデザイン。その見た目のかっこよさはもちろんのこと、細かなこだわりが目を引きます。
CHIBIEN
例えば、先端を良く見てみると鉛筆が削られたよう。真鍮を六角の一面一面をこの形に削るのは、洗練された技術だからこそ為せる技です。
芯を変えるのには、付属の六角レンチを使用します。あえて手間の掛かる仕組みにしているこうした遊び心こそ、高井さんの作品の魅力です。
ちびえんシリーズは、3色展開。
茶色と黒の「古美色」は、真鍮の表面の色を変色させていることで、アンティーク品のような風合いに。
地の金色が使っていくとだんだんと燻んだ色になっていく真鍮ですが、古美色は段々と色が剥げてきて、元の真鍮の金色が出てきます。永く使いたくなる、「育てる」ボールペンと謳う理由がここにあります。
古美色の経年変化
IROEN
ちびえんの形はそのままに、真鍮に色付きの銀箔を施したこちらのシリーズは、持っているだけで明るい気持ちになりそうな色合いが揃っています。
銀箔を貼り付けたあと1枚ずつ丁寧に剥がしていくので、1本1本表情が異なるのが面白いところ。
こちらはプラスドライバーで芯を替えるタイプです。
Tzシリーズ
まさに鉄の棒のように見えるこちらのシリーズは、真鍮と洋白を使って作られるキャップ式のボールペンです。
驚くべきは、ペン先のキャップは溝が作られているのに対して、替え芯用のキャップの方は、継ぎ目が全く見えないように作られていること。
いつも使うキャップは見やすく機能的に、あまり使わないキャップは軸と一体化させてすっきりと。使い手のこともよく考えられたデザインにまとまっています。
替え芯は、どのシリーズも三菱鉛筆の JETSTREAM を採用しており、書き味も一流です。
かっこよさと書き味の良さ、どちらも叶える TETZBO。その金属の重みも、細かな遊び心も、持つとつい何かを書きたくなってしまう。カキモリが心からお勧めできるボールペンです。
全ラインナップはこちらからご覧ください。