
カキモリでたくさん取り扱っている万年筆。
「万年筆」と聞くと、なんだか書くのが難しそう、というお声は少なくありません。使えたら良いなと思っても、手を出しづらいという方は多いのではと思います。
それでも一度使うと、他のペンに戻れなくなるほど、日々の書く道具として魅力的な万年筆。カキモリでは、なるべくたくさんの方にこの良さを伝えたいと思っています。
こちらの記事では、「万年筆とは?」「万年筆の使い方」「万年筆のいいところ」など、万年筆について詳しくご紹介していきます。これからはじめての万年筆を選ぼうと思っている方や、興味はあるけどまだ使ったことがない方、買ってみたけれどどう使ってよいかわからない方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
万年筆とは?
ペン先が独特の形をしている、インクを使って書く筆記具です。ボールペンの中に替芯があるように、万年筆はインクを補充して使います。


どんな種類があるの?
1. デザイン
たくさんのブランドが様々な万年筆をつくっています。
色、形、長さ、素材、、、種類が豊富にあるので、実際に持ったり書いたりして選ぶのが一番。お試しで書くことが難しい方は、まずは好みのデザインから探してみるのも楽しいと思いますよ。

2. ペン先
選ぶペン先によって書き心地が大きく変わるので、使い方や書きぐせに合わせたペン先を選んでみましょう。
まずは、ペン先の素材。大きく分けて2つの種類があります。
・金のペン先(「金ペン」と呼ばれることもあります)
なめらかなタッチとしなりの効く軽やかな書き心地が特徴。金が使われている分、比較的高価になります。
・ステンレスのペン先
スッキリとしたデザインのものが多く、しっかりとした書き心地です。はじめての方に手に取りやすい価格帯のものが多いです。

左:金のペン先の一例/右:ステンレスのペン先の一例
次に線の太さです。多くの万年筆では、同じデザインでも複数の線の太さから選ぶことができます。一般的には細字(F)、中字(M)が主流ですが、中細字(FM)や太字(B)など、細かく選べるものもあります。変わり種のペン先だと、音符を書くのに適した楽譜用の万年筆などもあります。(*カキモリでは取扱いがないものもございます)

筆記線の太さはブランド、素材、デザインによっても異なり「細字」と呼んでいても、ものによって太さが違うこともしばしば。ぜひお店で実際に試し書きをして、自分の文字と一番合う細さや書き心地を基準に選んでみてくださいね。オンラインストアの場合は、筆記線を載せている画像などを参考にしてみてください。
3. インク
万年筆を選ぶときのもう一つのポイントはインク。それぞれ補充の仕方に違いがあり、使い方や好みによって選ぶことができます。

手前から、1) カートリッジ式、2) コンバーター式、3) ビルトイン式、の3つのタイプがあります。

1) カートリッジ式
ボールペンの替芯のように、小さな容器にインクが入っている「カートリッジ」を使用するタイプ。選べる色数は少ないですが、インクが無くなったら簡単に新しいカートリッジに交換ができるため、使いやすさの点ではおすすめです。中には互換性のあるカートリッジもありますが、メーカー純正のものなど決まった型しか使えないものが多いため、事前に選んだペンに使えることを確認しましょう。
2) コンバーター式
ボトル入りのインクと一緒に何度でも使えるタイプ。インクを吸い上げるための「コンバーター」という部品を使用することでインクを補充します。補充にひと手間かかりますが、色々なメーカーのボトルインクを使えるため、選べる色はぐんと多くなります。また一瓶でずっと使い続けられるので長い目で見ると経済的です。コンバーターはメーカーにより付属と別売のものがあります。
ほとんどの万年筆でカートリッジとコンバーター、どちらも使うことができます。まずはカートリッジからはじめて、ゆくゆくコンバーターを使ってみるのも良いかもしれません。
次に、3つ目のビルトイン式についてです。
3) ビルトイン式
ペン内部にインクを蓄えるタンクのような機能がついているタイプ。直接インクを吸い上げて補充するため、ボトル入りのインクを用意します。上の2つのタイプよりもインクの容量がたっぷりで、1回の補充で長く使うことができます。お気に入りの1色をずっと使い続けたい方におすすめです。
手間がかかっても好きな色を使いたい方や、ちょっとでもインクを替える時間を減らしたい方。使い道が幅広いからこそ、インクもペンと同じくらいこだわって選びたい大事なポイントです。
書いてみよう
持ち方
金属のプレートの方を上にし、グリップ部分を軽く握ります。万年筆は少し寝かせ気味に持つとインクの出が良く、書きやすいです。書く面とペン先は大体45度くらいの角度がおすすめです。
書く時は、ペン先の裏側に付いている小さな丸い金属の「ペンポイント」を紙に当てます。力をかけずともサラサラとインクが出てきます。

ボールペンのようにボールを回す力が要らず、使っているうちに段々と筆圧をかけずに書けるようになる方が多いです。余計な力を使わず、疲れにくいのが万年筆の良いところでもあります。

カキモリの実店舗では、左利きの方でも書きやすい種類もご用意しています。

メンテナンス
インクを補充するタイミングや、少しペン先が乾いて書きづらくなってきたタイミングで、洗浄をしてみましょう。カートリッジやコンバーターからペン先を外し、水に一晩つけおきしておくだけで、書きやすさは元通り。
詳しい洗浄方法については、こちらの記事をご覧ください。
なかなか手を出しづらいけれど、書くことが少なくなってきた今の時代だからこそ、使ってみてほしい万年筆。あなたと毎日をともにする、お気に入りの一本が見つかりますように。
何か困ったことがあれば、店頭でもお問い合わせからでも、いつでも気軽にご相談くださいね。